ミスディレクション。*3

「おう。遅かったな」
 暗い気持ちを抱えて部屋に帰ると、ソファでテレビに向かっていたサイファーが顔を上げた。
 スポーツ番組を見ていたらしい。リビングは温かい食べ物の匂いがしている。
「…明日の資料に間違いが見つかって、差し替えしてた」
「チキンが必死こいて作ってた奴か? んなの本人にやらせろよ」
「本人だけじゃいつまでかかるか分からなかったから。皆帰った後だったし…」
 サイファーが責めるように言うせいで、俺の返事も言い訳めいてくる。
「誰でも下っぱ呼べばいいだろが。お前、そんなんだからいっつも仕事が終わんねーんだぞ?」
「いいんだ。たまにはゼルともゆっくり話したほうがいいと思ってたし…」
 さらなる非難から逃れるように、俺はいったん自室に入り、上着を脱ぐ。
 サイファーの言うことはもっともだ。…俺は、人を使うことを覚えなくちゃいけない。
 分かってはいるのだけれど…。俺はもともと上に立つ器じゃないんだ。…あんたとは違って。
 部屋着に着替えた俺がリビングに戻ると、再びサイファーがソファから声を掛けてくる。
「冷蔵庫にシチューの残りとサラダが入ってる。食っていいぞ」
「…」
 最初は気が引けていたはずなのに、いったい、いつからだろう。
 近頃の俺は、ああ、ありがとう、と言って、何も考えずに冷蔵庫を開けていた。
「どうした? メシ食ってきたのか?」
「いや」
 ふたりで回している家事当番に調理が含まれていないのは、俺が出来ないせいだ。
 同室になった当初、よくあるビスケットやゼリー状の栄養食品とコーヒー、という俺の食卓を見て呆れたサイファーは、それ以来、ときどき俺の分の食事も用意してくれるようになって…。
「何だよ。具合でも悪いのか?」
「いや…大丈夫だ」
「…気にいらねーな。何だよ」
「何って」
「なんか隠しごとしてっだろ」
「別に、なにもしてない。食事の前に…ちょっとまだやることがあって」
 来週の任務の指示書のいくつかに気になる点が残っていて、日程や装備を含めて再考したかった。
 部屋の隅に据えてあるPCの電源を入れ、メディアを差す。
「お前、居残ってチキンの手伝いしといて、自分の仕事持って帰ってきたのかぁ? いつからそんなお人よしになりやがったんだ、ったく」
「…あと少し手直しするだけだから」
「どう直すのか教えろよ、俺がやっといてやるから。お前、先にメシ食え」
 …いつからそんなお人よしになったのか、俺の方が聞きたい。
 そうだ。間抜けな勘違いは、俺だけのせいじゃない。
 あんたがそんな態度だから、俺が誤解するんじゃないか。
 サイファーはリノアが好き。
 そういうフィルターを通してみると、サイファーは全く違う人間に見えた。
 乱暴な言葉遣いと、ふざけた態度のせいで分かりにくいけれど、彼は…俺に、驚くほど優しい。
 べたべたしてくることの延長のように思えて、彼がこんなに俺の世話を焼いているなんて、あまり意識してなかった。「作り過ぎて余った」とか、「代りに鍋洗ってくれよな」とか、そういう言葉を真に受けて…いや、本当に真に受けていたかどうか、俺は自分を疑ってみる。
 シチューはきのこのクリームシチューで、海老のサラダには甘めのドレッシングが添えてあった。
 両方とも俺が好きなメニューだった。

 * * * * *

「スコール。今日、何か元気ないね?」
 受話器の向こうで、リノアの声がしてはっとする。
「いや、…ちょっと、疲れてるだけだ」
「スコール、働き過ぎ。…でも、それだけかなあ?」
 なーんか、隠しごとしてない? と、サイファーとおんなじことを訊いてくる。
「別に、何も」
 どうして二人とも、そんなに鋭いんだ。
 結局、持ち帰った指示書は、サイファーが調整を手伝ってくれて、良い仕上がりになった。
 疲れてるのは……確かに、仕事のせいじゃない。
「じゃあ、何か悩んでる? ね、言ってみて」
 リノアの誘うような声音に、俺は…意を決して、気になっていた事を切りだした。
「リノア。もしサイファーが…」
「サイファーがっ!?」
 途端に声のトーンが殺気立つ。
「そう色めき立たないで聞いてくれ。もしサイファーが、リノアのこと好きだったら…どう思う?」
「やっだスコール。そんなこと考えてたの?」
 軽々と笑い飛ばされて、少しばかりむっとした。
「真面目に聞いてるんだ」
「そんなの、スコールを選ぶに決まってるじゃない」
「…何で」
「何でって」
 リノアは、いつも俺に手ごたえが無いって嘆いてる。
 俺はリアクションの選択をしょっちゅう間違うらしく、彼女が「そう来ますか…」と言って脱力することもしばしばあるが、相手がサイファーなら、そんなことは無かったはずだ。
 彼はああ見えて世話好きで、察しが良くて、もちろん…恋人の機微にも敏感だろう。
 自信があって、堂々としていて…俺よりずっと、騎士の役が似合っている。
 考えてみれば、森のフクロウに派遣された俺に、リノアは相当がっかりしていた。
 当時のリノアにとって、多分、SeeDって言うのは、「サイファーみたいな人」だったんだと思う。
 自分よりも先に立ち、引っ張ってくれるような男を待っていたのに、来たのは雇い主の命令どおりにしか動かない俺だったから、落胆するのも無理は無い。
 俺が黙っていると、リノアはやがて、逆に訊き返してきた。
「サイファーのことは、わたしだってキライじゃないよ。だけど、どうしてそんなこと聞くの?」
 さっきとは全く違って、それは…苦しそうにさえ聞こえるほど、まっすぐで、真剣な声だった。
「どうしてって…」
 サイファーが、リノアを好きだから…とは言えない。
「宇宙までわたしを迎えに来てくれた人は誰?魔女記念館までわたしを攫いに来てくれた人は?」 
 それは、確かに俺だった。だけど、もしもサイファーが俺と同じ立場だったなら、とまで考えたところで、電話の向こうで、リノアが俺を呼んだ。
「ねえ、スコール。仮定の話は意味が無いよ。わたしはもうあなたに恋してる。どうしてもあなたが欲しいから結婚したいの」
 そうなんだろうか。もう手遅れなんだろうか…と思ってから、俺は自分の胸の言葉にぎくりとする。
 手遅れ?
 恋人が自分に恋したことを、「手遅れ」なんて思う奴が居るか。
「スコール、お願い。もうサイファーのことは考えないで。ね、お願いだから」
「リノア…」
「ねえ、スコール。…わたしのこと、愛してる?」
 リノアがいつもの質問をしてくる。
 まるで、訊くのが恐い、と思っているような、か細い声だった。
 俺はリノアの騎士だ。魔女を不安にさせてどうするんだ。
「もちろん愛してる。…リノア、俺が悪かった。もう、サイファーの話はしない」
 俺はその話を終わりにした。

 * * * * *

 眠れない。
 何度も寝がえりを打っては、ため息をついて、ベッドサイドに置いた目覚まし時計を確認する。
 2:40。
 明日は…いや、もう今日だが、かなりスケジュールが詰まっている。
 ゼルが仕切っている説明会にも、顔を出さなくてはいけないし。
 眠らないといけないのに。
 …魔女戦争のことを考えてた。
 ガーデンを含めて、世間では、あのときのサイファーを、正気だったと考えている人間も多くいる。
 そういう人間たちは、サイファーを善悪に照らして悪人に分類し、未熟さを免罪符にして刑を免れたと不満に思っている。
 本当は、そうじゃない。
 確かに、サイファーは、あの戦争中もサイファーだった。
 収容所で、効率を無視して拷問の対象に俺を選んだあたりは、間違いなくサイファーだ…。
 だが、アルティミシアに操られていたのも事実だ。
 人格はそのままだったが、価値観を操られていたのだと思う。
 サイファーはアルティミシアの騎士として、彼女を護ろうとしていた。
 俺は…訳も分からず無茶もしたが、別に世界のことなんか考えていなかった。
 ただ、リノアを取り戻したかっただけ。
 サイファーも俺もおんなじだ。
 騎士として、自分の魔女を護ろうとしただけなんだ。
 それなのに、世間の評価はどうだ。
 サイファーは悪人で、俺はまるで英雄みたいに持ち上げられてる。

 本当は、そうじゃない。…そうじゃないのに。

 …どうしてこうなってしまったんだろう。
 あのドールでのSeeD試験のとき、俺がサイファーの暴走を止めていれば良かったのかもしれない。
 ゼルはちゃんと止めようとしたのに、本音を言えば実戦を体験してみたかった俺は、彼の命令違反をむしろ煽っていたような気がする。
 俺が一言止めていれば、あのとき、サイファーはSeeDになったかもしれない。あの就任パーティに出席して、リノアと再会して…一緒に流れる星をみて…俺は、ふたりが踊るのを壁際に立って眺めていたのかもしれない。
 そうなれば、森のフクロウにもサイファーが派遣されたはずだ。
 …もしかして、本当は、そうなるはずだったんじゃないだろうか。
 アルティミシアは、俺がガンブレードのSeeDだと知り驚いていた。
 彼女の居た未来で、伝説のSeeDは金髪のサイファー・アルマシーだったとしても不思議はない。
 そうすれば、サイファーは夢のとおり、現代の魔女リノアの騎士になって…
(ねえ、スコール。仮定の話は意味が無いよ)
 リノアの言うとおりだ。でも、俺はついぐずぐずと考えてしまうんだ。
 現実は、そうならなかった。
 サイファーはアルティミシアに操られて、他でもないリノアを魔女アデルに捧げた。
 そして今は、ガーデンで保護観察を受けている。
 確かに、これじゃリノアを好きだなんて言えないかもしれない。
 俺なら言えない。
 でも、…俺は、サイファーは違うって思ってた。
 どんな立場だろうと、ちゃんと言いたいことを、堂々と言える人間だと思ってた。
 そこが俺と違うと思ってた。
 彼のそういうところが、俺は結構…好きだったのに。
 だけど、もう遅い。
 リノアは、俺が好きだと言う。
 素直で、自分の気持ちに正直な彼女がそう言うのだから、本当にそうなのだろう。
 俺は…サイファーと、きちんと話をしなくちゃいけない。
 サイファーがどういう気持ちでいようと、俺は、彼女と結婚するんだから。

 * * * * *

 次の夜、夕食の片づけを終えた後、自室に帰ろうとする彼を呼びとめた。
「サイファー。話がある」
「何だ、改まって」
 サイファーが訝しげに眉をひそめて振り返る。
「来月の17日に、リノアと式を挙げる」
 彼は、驚いたように、ゆっくりとこちらに向き直った。
「……もう、決定か?」
「……決定だ」
「マジか」
 サイファーは、自室の扉からリビングに戻ってきた。
「……よく、式場が取れたな」
 ソファに腰を沈めてポケットから煙草を取り出し、いけね、禁煙だっけな、とまたポケットに戻す。
「バラムホテルでキャンセルが出て、たまたまラグナのオフと重なったんだ」
 俺の答えを聞いて、彼は苦笑を漏らした。
「すげえタイミングだな。俺は、まだ半年は猶予があるモンと思ってたぜ。…甘かったな」
 肩を落とすサイファーを見下ろし、俺はキッチンカウンターに腰を預けて、気まずい話を続けた。
「リノアと俺とのことが、気に入らないのは知ってる。でも…出来れば、あんたにも出席して欲しい」
 サイファーは俺を見ずに目を伏せ、しばらく黙っていたが、やがてぽつりと呟くように訊いてきた。
「…スコール。リノアを好きか?」
「ああ。好きだ」
 俺は出来る限り、きっぱりと答えた。
 サイファーの気持ちを考えれば、そうしなければいけない気がした。
「そうか。…そうだよな。……リノアの方は、お前にべた惚れだしな」
 苦しそうな口調に、ずきっ、と心臓が痛む。思わず胸を押さえそうになるほど、激しい痛みだった。
 あんた、馬鹿じゃないのか。
 そんなに好きなら、どうしてもっと早く、はっきりそう言わなかったんだ。
 口を開いたら、言っても仕方のないことを言ってしまいそうで、俺は何も言えずただ黙って、サイファーの次の言葉を待った。
「……参ったな。変なちょっかいかけたのが裏目に出たか」
 サイファーは片手で額を押さえた。
 いつも余裕たっぷりな彼らしくなく、心底弱っているふうで…俺はようやく、サイファーの本当の姿を見たような気がした。
「あんた、いくらなんでもアレはふざけ過ぎだ」
 サイファーが仕掛けてきた様々な悪戯を思い出し、俺は何故か今さら腹が立って、彼を睨みつける。
「もっと正面から、真面目に口説けば違ったと思うか?」
 俺としちゃ、気を使ったつもりだったんだがな、とサイファーは俺を見上げて薄く笑った。
「そんなの…」
 俺に分かるわけがない。
 やってみればよかったのに。
 俺に気なんか使わないで、ちゃんと正々堂々とリノアを口説けば良かったのに…そう思うけれど、
もう、口には出せない。リノアの言うとおりだ。仮定の話は意味がない。
「とにかく…リノアと俺は結婚する。あんたには申し訳ないが…もう決めたんだ」
「今さら横やり入れられても困るってか。…へいへい、分かりましたよ」
 俺が結論を繰り返すと、サイファーは大仰にため息をついてみせた。
「はーっ。きっぱり振られたな~」
 サイファーはあくまで、「俺に気がある」ポーズを崩さないつもりらしい。
 確かに、そのほうが気楽かも知れないが…俺としては、リアクションに困る…。
「まあ、思ったよりお前ら、上手くいってるみてえだし、あの女も、お前のことに関しちゃ、いつもの気まぐれじゃねえって話だしな」
 あの女、なんていう突き放した呼び方が、却って彼の本音を表しているように聞こえ、俺は何とも言えない複雑な気持ちで、サイファーを見つめた。
「お前らの気持ちは分かった。…そんな顔すんな。もう邪魔しねーよ」
 俺の思いつめた視線に気づいたサイファーが、表情を緩め、ソファから立ち上がって近づいてくる。
 彼はそのまま手を伸ばして、ただ、黙って立っていることしか出来ない俺の髪をくしゃりと撫でた。
「ま、なかなか大変だろうけど、…頑張れよな」
 じゃ、式、楽しみにしてるぜ、とサイファーは笑って、自室に帰って行った。
 俺は…何と言ったらいいのか…釈然としなくて、でも、なにが釈然としないのかよく分からなくて、しばらくそこに立ち尽くして、サイファーの部屋の扉を見つめていた。
 これで…いいんだよな?
 ちゃんと、サイファーに伝えた。
 サイファーも、それを受け入れてくれた。
 これでいいはずだ。
 むしろ、これ以上いい展開なんか思いつかないのに。
(ま、なかなか大変だろうけど、…頑張れよな)
 それは、どうしてか俺にはまるで…別れの挨拶のように聞こえた。

 * * * * *

 それ以来、サイファーが俺に「嫌がらせ」をすることは無くなった。
 けれど別に、俺相手に険悪なムードもなく、以前よりすっきりした顔をしている。
 努力のかいあって、SeeD試験はガーデン史上最高の成績でパスした。
 今の俺が受験したとしても、ああも完璧には出来なかっただろう。
 リノアのことも、まずはSeeD試験に受かってから、と考えていたのかもしれない…。
 けれど、そんな素振りは全く見せず、彼は割り振られるようになった任務も、軽々とこなして来る。
 部屋でも問題を起こさないどころか、かえって態度が柔らかくなった。
 ぼんやりと今朝の会話を思い出してみる。
(よお。おはよ。眠れたか?)
(ああ…まあ)
(シャンプー切れそうだったから、新しいの置いといたぞ)
(ありがとう…)
(ひでー顔だな。さっさとシャワー浴びて来いよ。コーヒー飲むだろ?)
 朝晩顔を合わせるが、吹っ切れたような笑顔で、俺はとまどってしまう。
 俺とサイファーが、こんな穏やかな関係になったのはかつてないことだ。
 まるで、ただの…仲の良い、友達同士みたいで。
 こんな日が来るなんて、思わなかった…。
 俺とリノアの仲が結婚という形で確定したことで、彼もあきらめがついて良かったのかもしれない。
 …俺はやはり、こういう類のことが苦手だ。
 何が良くて何が駄目なのか、そういうのがさっぱり分からない。
 ただ、喜ばしいはずのこの日々が、俺にはしっくり来ないのも事実だった。
 あのサイファーらしからぬ笑顔を見ると、どうしても…胸が痛くなる。
 サイファーはリノアが好き。そのリノアは、俺と結婚する。
 分かっている。俺が悩んでも、仕方のないことだ。
 せっかくサイファーが、リノアと俺の選択を尊重してくれているのに。
 俺の望んだ通りの結末なのに…。
「スコール、どうかしたのか?」
 思わずついたため息をゼルに聞き咎められて、はっと我に返った。
 勤務中なのを思い出し、俺は慌てて手元の書類の文字を目で追う。
「はんちょ、もしかしてマリッジブルー?」
「そんなんじゃない」
 セルフィがにやにやと訊いてくるのを、思わず睨みつけた。
 そんなんじゃない。
 けれど、何なのかと言われると、…自分でも、はっきりした答えが見つからない。
 そんな俺の態度に、キスティスが「おおこわ」と肩をすくめて微笑む。
 今の俺は幸せな人間で、多少からかってもいい、と皆思っているらしい。
「……外の空気を吸って来る」
 俺は執務室を出た。
 はんちょ、照れてるのかな~?と、後ろからセルフィの無邪気な笑い声が聞こえた。

 2階のデッキに出ると、誰も居なくて助かった。青空が眩しかった。
 ひどく煙草が恋しいが、ぐっと堪えて、大きく息を吐いた。
 俺は来週、リノアと結婚する。
 リノアは俺にとっては、かけがえのない、大切な人間だ。
 大切なリノアがそう望んでいて、俺は彼女の望むとおりにしてやりたいと思う。
 この流れに、何もおかしなところは無いはずだ。
 肘を預けた手すりの向こうに、日を受けてきらきらと光るバラムの海が見える。
 それなのに、どうしてだろう。
 俺はなにか、取り返しのつかないことをしている気がしてならないんだ。
 好きなひとと結婚するっていうのに、この違和感は何だろう。
 どうして俺の頭には、サイファーの顔ばかり浮かんでくるんだろう…。



2012.4.13 / ミスディレクション。*3/ END

今回も読んでくださった方、どうもありがとうございます。
ぐるぐるモードのまま、次のお話に続きます。
あと3回で終了の予定です。

前回に戻る。 / Textに戻る。 / 続きも読んで遣わす。